日日纏う平和

大切な舞台に立つとき、衣装はISSEY MIYAKEと決めている。

三宅一生さんのことを意識したのは、私の大学時代の悪友の和田永という音楽家が、ISSEY MIYAKEのパリコレのショーの音楽を担当するようになってからだ。永が2,3年続けて音楽を担当していたときに、私もたまたまパリに行く用事が重なって、招待状をいただきショーを見せていただいた。そこから、ショーが終わったあとのコレクションを担当したチームの皆さんの食事会に参加し、今のレディースのデザイナーである宮前義之さんとも出会うことになる。

そこから、宮前さんとはお仕事でもご一緒させていただくことが増えてきた。私が担当していた対談の連載に出演していただいたり、私が一時期、テレビに出演した影響でものすごく取材が増えたときに衣装を貸してくださるなどして、私にとってとてもうれしい交流が続いていた。

宮前さんデザインのISSEY MIYAKEは私にとってたくさんの驚きと感動をくれた。一生さんからの流れは、ますます深化していたのではないだろうか。体の自由を奪うことが一切ないそのオリジナルの布地は、小さく折りたたんでトランクにしまい、旅先で開くとシワもなく、すぐに着ることができた。軽くて、乾燥もはやい。見た目の美しさだけでない機能性に、動きまわることで生きている「生身の人間」への愛を感じた。女性としてのライフステージが変わっても、そのまま寄り添ってくれる。私が妊婦となってから、最も身につける回数が多いのもISSEY MIYAKEのワンピースだ。これを書いているまさに今も身につけてる。

2015年のAWに展示会に伺ったときに、読売新聞のコピーを頂いた。三宅一生さんが、これまで明かすことのなかった自身の被爆経験についてのインタビュー記事だった。一生さんは7歳のときに被爆した。「原爆を生き延びたデザイナー」というレッテルを貼られるのを嫌い、被爆体験を語ることは避けてきたという。77歳まで、彼は自身の過去を語ることなく、デザイナーとして世界で一線で活躍してきた。かつて雑誌でみかけた嫋やかな笑顔が目に浮かんだ。彼の歩んできた道のりを想像し、私は打たれた。

その記事を読んでから、私は彼のインタビューが収められた本や書籍を集めるようになった。その中で繰り返しこのような言葉を見た。

平和な世界に必要なものを作る

本当の平和活動は、平和を訴えることではなく、平和な世界に必要とされるものを淡々と作り続けることだ。それはすでに平和は実現しているという力強いメッセージになる。戦争に反対することは、本当の平和活動ではない。平和を「やる」ということがもっとも強烈で本質的な平和活動なのだと私は深く納得した。そしてこの言葉は私が仕事をするなかで抱えていた矛盾に答えてくれる一言だった。

私がそれまで行ってきた、「途上国支援」という枠組みの動きも同じことが言える。貧困を撲滅する対象として対峙すること、それを仕事にする以上、貧困を必要としてしまう。解決したそばから、あたらしい貧困を探し、ときに「捏造」し、「解決」にむけて奮闘する。それではきりがないだろう。

私は、本当の貧困撲滅は、すでに十分に豊かである世界に必要なものを作ることだと、ようやく気がついた。すでに十分に豊かな世界には、なにか必要だろうか。文化や芸術、美にふれる機会や、自身がその美しいものを世界にうみだすことができるということだと思った。8th MAY Recordsの音楽はそうした信念によってうまれた平和の芸術運動だ。

三宅一生さんをはじめ、たくさんの先達から、意識にのぼらずとも、私たちはこれまでにたくさんのメッセージを受け取っているのだろう。私たちは平和な時代に生まれた。この平和は、かつて戦争を経験してきた私たちの祖先が願ってやまなかった世界だろう。その美しい世界に生きていることを私たちはどのようにして次の世代に伝えてゆけるだろう。

私は美しいものをひとつでも多く生み出し残し、これから生まれてくる命にたのしんでほしい。よろこんでほしい。音楽を作ることは私にとって平和を「やる」ということであり、個々人の平和が実現することが、世界の平和につながると本当に信じている。

大切な舞台に立つとき、衣装はISSEY MIYAKEと決めている。私にとってそれは平和を纏うということだ。

Mai Shinta
NEWS! 『171 for KIDS』プロジェクトのお知らせと、プライベートのご報告👶、ネパール🍚のお誘い🚩

2016年からの3年間で酒本信太と共に制作した171曲を、今月からストリーミングへの配信をスタートします!https://www.8thmay.com/

そして、この収益の一部を以前お知らせしていたネパールでのKIDS WORKSHOPの開催費用として充てさせていただきます。

いま着々と各種ストリーミングサービスに音源が配信されていますので、Apple MusicやSpotifyユーザーの方はチェックしてみてください!

検索する際は、8th MAY Recordsの4つのアーティスト名(Shinta SAKAMOTO、8th MAY、IRIS SUN、maishinta)で探してみてください!

また8月14日リリース予定で、maishintaのアルバム3枚と171曲からセレクトした10曲のダウンロードコード付きのBOXが、タワーレコードにて発売が決定しました💿

こちらは売上から販売店の手数料と制作費を除く全額がネパールでのキッズワークショップ開催費用となります。

今年は本当に思いがけないことがたくさんあって、もうひとつ大きなCreationとしては、信太とのbabyがお腹にやってきました。ようやく安定期に入って、動けるようになりましたが、最初の2ヶ月は本当につらかった!そのため、今年5月を予定していたネパールでのKIDS WORKSHOPは、今年8月、もしかすると来年にずれ込む可能性がありますが、開催が決まりましたらまたHP等でお知らせいたします。

babyがお腹に来てくれてからというもの、いままで気づかなかった新しい世界に飛び込んだかんじで、こんな世界があったのか!とたくさん驚きがありました。いまもそれは続いています。そして何より、KIDS WORKSHOPが私たちにとってより自分ごとになってゆきました。世界がもっとたのしくて、うつくしくて、自由な場所いなってほしい、という気持ちがますます強くなりました。どこからともなくむくむくやる気が湧いてきて、不思議です。

いろいろなことが目白押しとなっておりますが、たまにはゆるっと気楽なイベントもやりたいな、ということで、7月23日の夜にネパールご飯会を企画しました。新大久保のおいしいネパール料理レストラン「アーガン」を貸し切って、みんなでわいわいご飯をたべながら、お話できたらと思っています。ネパールのこと、音楽のこと、妊娠出産、子育てのことなど、いろいろお話できたらうれしいです。

Nepal ご飯会

日時:7月23日(火)19時30分〜22時

場所:ネパール料理「アーガン」
    東京都新宿区大久保2-32-3 リスボンビル4F(新大久保駅より徒歩4分)

参加費: 4,500円
(お料理9品+ドリンク飲み放題+8th MAY Recordsより小さなギフト)

定員:30名

お申込み・詳細:https://www.8thmay.com/nepali-gohan

一緒に楽しみましょうー!お待ちしています🍚

追伸:妊婦になってから長文を書くことがむずかしくなっておりまして、今後Facebookはますます遠ざかってしまいそうな予感です…。そこで、久しぶりにTwitterを始めてみました!🚩 https://twitter.com/8th_MAY_Records 

進捗や気軽なただのつぶやきなどキャッチしていただけるかたはぜひフォローしていただけたらうれしいです。

Mai Shinta
IRIS SUNという名前がやってきた
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IRIS SUNという名義で作品を発表することにした理由は、歌を歌っているのは向田麻衣ではないと私自身が思っているからです。

このことについて、いまままで一度もことばにしたことがなかったのですが、ここで私なりに、どういうことかを、できる限り実際の感覚から離れぬように注意深くなりながら、書けるだけ書いてみようと思います。

あ、ところで、いまリリース準備中のアルバムのタイトルは「AO」(アオ)となりました。今回は5曲収めます。

1,AO
2,ONE
3,The end of the day
4,Stormy Night
5,Sunshine

すべて、2018年の5月に作ったものです。この時期に、私と酒本信太は唐突に、後にOne Stroke Sketch(一筆書き)と自分たちで呼んでいる方法でレコーディグをはじめました。

One Stroke Sketchは、一切の準備を行わずに、作詞、作曲、演奏、歌唱、そしてレコーディグを同時に行います。創造の瞬間、音楽が生まれでてくる瞬間にだけ響いているものをそのまま捕らえるという試みです。

こういった方法で制作しているのは、私が音楽制作というものを一度も体系的に学ぶことがなかったということが大きく由来しています。ただ、自分の中に響いているもの、流れているものをどのように取り出したらいいのか、ずっとわからずにいました。それを、酒本信太という人と、彼が奏でるピアノが引き金となり、私の中から無尽蔵に取り出すことができるようになった。それが、IRIS SUNとして行っている創作です。

音楽を「作る」という意識は消えて、音楽そのものに「なる」というのが創作中の体感と最も近いように感じます。始める前に、体をできるかぎり緩め、そして、ピアノの音を聴きながら、歌います。どうしてこのようなことができるようになったのかということについては、私にもわかりませんが、唐突そのようなことが起きました。

ここでひとつ物語を紹介させてください。「千と千尋の神隠し」の主題歌の歌詞を書かれたことでも有名な覚和歌子さんが書かれた詩と物語の作品集「ゼロになるからだ」に収録されているひとつめの作品「鬼の元」から、一部を引用させていただきます。

突然お茶の中から現れた鬼に、ダンスを踊りましょうと誘われるシーンです。

“いやいやまさか このわたしが

ダンスだなんて考えるだに顔から火が出る

もじもじしつづけているのにも いよいよ間がもたなくなったおばさんが

精一杯に絞った知恵は 突然何もないところにつまずいて

あらあらあらとひとおもいに 鬼の両手をとってしまうという

語るに落ちる姑息な手段だった

それにしても おばさんが鬼の手を取った瞬間

鼻歌だった「幻想協奏曲」が

超絶技巧のピアノ演奏となって耳のなかで回りはじめたのはどういうわけだろう

理性が根こそぎ持っていかれた瞬間を おばさんは全く覚えていない

気がついたとき もうそれはおばさんが知っている自分の身体ではなくなっていて

誰のものとも知れない夢のような身体が

鬼の見事なリードのままに 呼び名のないダンスを踊っていた

自由というものにかたちを与えたら きっとこうなるにちがいない

鬼は おばさんの身体の動きのしくみを

ずっとまえから知っていたかのように

背骨や関節にあらゆる方向性を与え 文楽の人形師さながら

息の通った動きを次々に引き出していく

身体が初めて出遭ったような筋肉の感覚なのに

初対面のぎこちなさは出会いの新鮮さとなっておばさんの意思に応え

おばさんはそのすがすがしく目覚めた身体の

向かいたい方へ向かいたい方へと気持ちの勢いを任せていく

身体中の皮膚は途切れ目のない一枚のつながりでできていて

指先で創るほんの小さなさざ波さえ

ひとつものがさずすみずみに伝えていく精妙な水の面のようだ

夢中な頭の片すみで おばさんは自問した

いつか死にゆくその瞬間も 私は踊り続けているだろうか


どれほどの時間が過ぎただろう

いつのまにか黄昏が降りていたのにも気づかずに

リビングルームの真ん中にひとり座り込むおばさんは

稲妻に打たれた空缶のように からんころんと空っぽだった

かくしておばさんの人生の真実は

ある日藪から棒に極まってしまったのだった”


「ゼロになるからだ」覚和歌子(徳間書店) 『鬼の元』より


事実を語るよりも、物語や詩のほうが雄弁に語ってくれる。と、この短い物語を呼んだときにとても救われた気持ちがしました。私はそういった気づきもあって、この昨年5月から6月に音楽の制作を行いながら平行して物語を書きました。「TAMARU」という14歳の少年が旅の中で音楽を作り始めるというお話です。これは私が自分の身に起きたことについて、もっとも近いかたちで書くことができる唯一の手段だったように感じています。人がどうして物語を必要としているのか、はじめてわかったような気がします。

昨年の5月に「藪から棒に極まってしまった」おばさんとおなじような流れではじまったのが、IRIS SUNとして発表している作品群です。最初の作品「OI」はレコーディグ中、比較的はっきりと景色が見えている曲を集めました。レコーディグが終わってからメモできるほどに記憶に残るものだけを集めています。その最初のテイクに、あとからもう一本声を重ねたり、楽器を重ねたりして、完成しました。

「OI」をリリースしてひと月経ち、先日次のアルバムの制作に入ろうと思い、レコーディグしてから一度も聞き返すことのなかった昨年5月の音源をいくつか聴いてみたときに、私の記憶にも残っていない大量の歌があったということにようやく気が付きました。聞き返した音源には、私というものがまったく存在していませんでした。命をなにものかに完全にゆだねて、意識のない状態で歌っているときの響きのおだやかさ、ここちよさ、やわらかさ、あたたかさを知りました。聞き返してすぐに、私達はこの響きだけを集めて次のアルバムを作ることにきめました。いままで制作した作品集のなかで、もっともささやかで主張のない静かなアルバムになると思います。

5曲、55分のアルバムですが、聴いていると、ものすごく、、眠くなります。私ははじめて聴いたとき(自分でも歌った記憶がないのではじめての感覚です)体中の緊張やこわばりがいっきに溶けてしまうような感覚になりました。腰が抜けて、ふらふらと床にしゃがみ込みました。これは実際に私がOne Stroke Sketchで歌をうたっているときに、だいたいいつも身体に現われる現象です。

ミキシングもマスタリングも、起きているのが精一杯で、ふたりともソファーになだれ込み、すやすや眠ってしまったこともありました。とても不思議な音楽です。私は、「私」という存在を通り越して、何かとつながり、ただ「つなぎ目」としての役割を果たすことができたのだと感じています。それはこれ以上ない喜びでした。この響きは、生まれてきてくれてから、いちども聞き返されることもなくじっと黙って待っていてくれました。約9ヶ月かかりましたが、あらためて発見し、作品として光を当てることができるようになった自分にも、よくやったと言ってやりたい気分です。やっとここまできたね。すこし大人になったような気分です。表現「しよう」というところから、ただ「在ろう」というふうに。自然体でいられるようになったのだと思います。

あまりにもしずかで、ゆるやかで、ささやかだけれど、私にとってもっとも必要な音楽でした。愛を音で表現するとしたら、もうこれ以上は今の私にはできないと思います。このアルバムは、私の36年の人生のひとつの到達で間違いないです。これからたくさんの曲を発表してゆくと思いますが、私はずっとこの響きを歌い続けたいと思います。

長くなりましたが、そんないろいろなことを体験して、IRIS SUNというのは向田麻衣ではないだれかの歌、という気持ちでつけた新しい名前です。ちなみに、そもそもIRIS SUNというのは誰かというと、私が昔書いた短編小説の主人公の宇宙人の名前です。地球に参与観察にきて、レポートを書いた、というお話です。一度noteに掲載させていただきました。また近く掲載させていただこうかな。と思ったり、しております。

さて、今日はこの辺で筆を置こうと思います。
読んでくださってありがとうございました。私は、今日この文章を書くことができて本当によかったです。書くこともこれからずっとやってゆきたいと思います。音楽、特にこれからリリースする「AO」も聴いていただけたらうれしいです。リリースまでもうひといき、また進捗ご報告いたします。

Mai Shinta
本日はマスタリング

今、私たちはIRIS SUNの次のアルバムを制作しています。

昨年5月にレコーディグしておいた音源を聞き返して

昨日、ミキシングを完了しました。

本日は、マスタリング。

完成したらさらに少し寝かせて、

日々聞き返しながらなじませてゆきます。

時間を味方につけるということを、この一年で学びました。

生まれたての音をそのまままな板の上に乗せるということが

去年の5月の私にはできなくて、せっかく生まれでてきてくれたのに

すこし距離をとろうと旅をしたりしているうちに

旅先でいろいろなことが起き、やっぱりこれは音楽に

どうしても取り組まなくちゃいけないと気が付き

帰国後、最初のEP ”OI”をリリースしました。

“OI” には、One Stroke Sketchで制作したものの中から

曲としてはっきりと形が見えるものを集めました。

歌っている間もはっきりと景色が見えていて

終わったあとにタイトルをメモできるくらい

意識に残ったものが中心になっています。

次作は意識に上らないほどの集中で歌っていたもの

記憶されていない音源を中心に纏めました。

今回はピアノと歌のみの構成となります。

そして、マスタリングも音量のバランスを一部整えるのみとなりました。

IRIS SUNの創作は、私の生き方そのものになりました。

すべてはOne Stroke Sketchであり、どの瞬間も美しいということを、

私は創作を通して感じ続けています。

Mai Shinta
3月3日より、小説の連載をはじめます🌸

3月3日より、小説の連載をはじめます🌸

今朝noteにあらすじと登場人物について公開しました。

この物語は2016年の夏にネパールで書き始めたものですが、ほとんどの部分を2018年5月から6月の間に書きあげました。

2018年、昨年は創作においては豊作の一年で、5月にIRIS SUNでリリースしたOne Stroke Sketchの音楽作品群が大量に出てきたときに、並行してこの小説の執筆を書きすすめました。音楽を作るよろこびを様々な形で残したいという一心でした。

物語がうまれたあとしばらくは、だいじすぎてどこにもだせない状態でしたが、まずは酒本信太に読んでもらって、そして次に私の最初の本を執筆したときの編集者であり、Lalitpurのスタッフとしても一緒に働いてくれていた徳瑠理香さんにみてもらいました。心臓が飛び出るような気持ちで原稿を手渡したのですが、ふたりからの感想はとてもうれしいもので、その声に背中を押して貰う形でこの度公開するはこびとなりました。

書き終える、筆を置くということのなんとむずかしこと。途中、何度も溺れそうになりました。書くことの壮絶さを知り、もう二度と物語を書くということはないだろうと思いながら書きましたが、書き終わったときに、しっかり「第一巻・完」と書き付けている私がおりました。恐ろしくもうれしくもある創作でした。

この連載を一年に渡って連載させていただきながら、今年、どこかのタイミングでまた集中して2巻を書き上げることができたらいいなと思っています。伴奏していただける方がいらしたらぜひ購読していただけるとうれしいです。

2019年3月3日より、毎週、日曜日の朝にお届けします。約1年間の連載となります。はじめての試みですが、たのしんでいただけますように!


おまけ

今日から「IRIS SUN 向田麻衣のつぶやきラジオ」もスタートしました🌸自分たちの声がそのまま届くようなメディアを自分たちでつくろう!ということで、ゆるくはじめました。短いものや長いもの、月に10回くらいになるでしょうか、ちょこまかと更新してゆくつもりなのでYoutubeのチャンネルをチェックしてみてください♪ 

 
 


Mai Shinta
4.27.Sat Kids Workshop in Nepal Fundraising Event -OPEN RECORDING

改めまして、Kids Workshop in Nepalのファンドレイズイベント、明日(2月10日)昼の12時からチケットの発売開始です!ぜひチェックしてみてください🌸

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4月27日 三鷹市芸術文化センター・風のホールにて

ファンドレイジングイベント開催決定!

初の公開レコーディングを実施します。

来年の5月にネパールで開催するキッズワークショップに向けて、8th MAY Recordsは新しい試みを通してファンドレイジングイベントを開催いたします。

8th MAYとIRIS SUNの音源はすべてOne Stroak Sketch、一筆書きで制作しています。一切の準備を行うことなく、その瞬間に極限まで集中を高め、一気に編み上げる手法で作詞作曲と録音をすべて同時に行っています。

その創作の様子をすべてお見せしながら、音楽が生まれでてくる瞬間を会場に来てくださる皆様にも目撃していただけたらと思っています。

会場に来てくださる皆様の存在の響きが、どのように演奏に現われるか、私たちにとっても初めての試みとなり、非常に楽しみなレコーディングです。ご来場お待ちしています!

チケット代金はネパールでの活動資金に充てさせていただきます。

4月27日(土)19時30分〜21時

三鷹市芸術文化センター風のホール

東京都三鷹市上連雀6-12-14

MAP

http://mitaka-sportsandculture.or.jp/zaidan/access/

チケット代 4800円

全席自由

2月10日 昼12時よりチケット発売開始!

Mai Shinta
 Teardrop

ちょうど去年の今頃、屋久島を旅していました。はじめての屋久島なのに、オフシーズンに乗り込み、めずらしく雪も降ったりなんかして、活発に動けない日の深夜、ロッジでひとり目を覚まして、暗闇の中に水がきらめく音を聴きました。

ちろちろ…ぽちょり。ちゃぽん。と、それはそれはかわいらしく儚げな音でした。(コロボックルだ!!)私は暗闇の中でひとり興奮しながら耳を澄まし、しばらくすると眠りに落ちました。

水の妖精の音を聴いたと、翌朝、信太に伝えて、その日の夜、電気を消して暗闇の中じっと耳をすますと、、、、ぽちょぽちょと聴こえてきた。しんた!!これ!と小声で伝えると、これ冷蔵庫の音、、なんじゃ、、と笑いを噛み殺しながら信太は言った。
屋久島まできて、冷蔵庫の音を聴いて感動していました。家でいいじゃん!!ともかく、いろいろありましたが、なんだかいい曲ができました。


Teardrop

 
 


屋久島のフィールドレコーディングをベースにピアノとヴォーカルを重ねました。お気に入りです🌸

Teardropはmaishintanの3枚目のアルバム"Creation"に収録しています。よろしければ、他の曲も聴いてみてください🌸

Stream & Download

CD

Mai Shinta
Kids Workshop in Nepal

やっと、ここまでこぎつけた。。
8th MAY Recordsは今年5月、ネパールでKIDS WORKSHOPというプログラムをスタートします!

Kids Workshop in Nepal
https://www.8thmay.com/kidsworkshop/

ネパールをはじめて訪れてから今年で20年!!(がーん!!!)ネパールはもちろん、世界中が猛スピードで変化しているのに、20年以上前からありつづけるこの「途上国」という言葉にもずーっと辟易しつつも、この国がすきだから関わりたいとずっと思い続けていました。

10年前、Coffret Projectを始めたときも、そこから3年後にLalitpurを始めたときも、何をするのがもっともいいのだろうと、現地で時間を過ごしながら自分の目と耳でそこに暮らす人達の声を聞いて、その時々で、自分なりに答えをだして、実行してきました。

ネパールはもともと豊かだ。それに加えて、この20年で貨幣経済的にも確実に豊かになった。Lalitpurがやろうとしたことを大きくしてゆくというのはだんだん意味がないじゃないかと感じていった。工場労働者を増やすようなビジネスに??となってしまったのです。必要なのは、工場労働者を増やすビジネスじゃないんじゃないか。

人はこれからどんなふうにいきてゆくのだろう。そもそも、私自身はどんなふうにこれからいきてゆきたいんだろう。

私自身に立ち返ったとき、私は何か表現する力がほしいと思いました。自分で美しいものを生み出したいと。そう思ったときに酒本信太と出会って、音楽を作り始めます。歌うことも、作詞も作曲も、私の人生には、まったく!ほんとうに一ミリも関係ないものだと思っていたから、この展開に私自身がいちばん驚いています。それでも、こんな機会はないからと、恥を偲んで、そして同時に自分の好奇心と直感に素直に従い、自分を実験台にして、様々な創作をこの3年行ってきました。発表していないものが山程あります。すこしずつ整理ができたらリリースしたいと思います。

そして試行錯誤の結果、こういう形であれば、専門的な教育を受けていなくても、自分の努力や気持ちがあれば、音楽作品を作って世界に発表することができるんじゃないか、という自分なりの手法を見つけつつあります。

そこで!今年の5月にネパールの子供向けにワークショップを開催することに決めました。ここでは、音楽制作の基礎的な情報を共有して、実際に私たちと音楽を作る、ということをやってみます。そして、それをオンライン上の様々な配信サービスに載せて、世界中の人が聴いてくれる場所を自分たちで作ってみようという取り組みです。信太はプロの技術や姿勢、私はずぶの素人がどうやって作品を作っているかということを伝えてゆきたいと思います。

私はこれから、なにはともあれ、創作を自分の人生の軸に据えて、ずっと作り続けたいと思っています。この楽しさを知ってしまっては、もう後戻りができそうにありません。そして、作りたいと思うから、明日も明後日も生きていたいと思うし、今がすごく楽しくて、煌めいていて、こういうことを自分のすきな土地に生きている可能性の塊である子供たちと共有できたらすてきだなと思っています。

ワークショップは毎年春に1回開催する予定です。経験を重ねることで、年々パワーアップしてゆけたらと思っています。
継続的に開催するにあたって、マンスリーサポーター、そしてマイクやPCなどの機材の寄付を募集します。どうぞご検討いただけたらうれしいです。

詳細・お申込みはこちら⇒https://8thmay.stores.jp/…

そして、4月27日にひとつ、ファンドレイズのイベントを開催します。
私達の音楽を聞いてくださっている方の声を参考に、こんなイベントを企画しました。

4月27日 三鷹市芸術文化センターにて
ファンドレイジングイベント開催決定!
風のホールにて、公開レコーディグを実施します。
https://www.8thmay.com/live

私と信太が行っている創作風景をすべて公開いたします。One Stroke Sketch (一筆書き)、「集中して、一気に編み上げる創作方法」でつくるというのはどういうことか、というご質問をたくさんいただき、これは思い切って一部始終を公開し、見ていただくのは一番はやいのではと!そして、観客がいる場所でレコーディグするということが私たちにとっても新しい試みとして興味惹かれるものでした。

音楽が生まれでてくる瞬間というのは、出産現場のようなもので、なにか不思議な野性味と神聖さに満ちています。その瞬間に何がおきるか、どんな曲がうまれるか、私達にもわかりませんが、会場に来てくださる方との響き合いにおいて、「何か」がうまれると思います。ぜひ会場で目撃していただけたらうれしいです。
チケット代はネパールでのワークショップ開催費に充てさせていただきます。チケットは2月10日発売です!

すっごくながくなってしまいました。。読んでくださりありがとうございます。また進捗をご報告いたします!

あ!最後に、LINE@というのを始めてみました。SNSだけど、一対一のようなやりとりができるようなので、今後はこちらを使うことが増えそうです。8th MAY Recordsのネパールでの動き、今後のリリース情報などをキャッチしていただくのに便利です。どうぞ参加してみてください!

8th MAY Records LIVE @
https://line.me/R/ti/p/%40ayr7357g

Mai Shinta
羊水

2月1日に、レコーディング開始!と宣言しましたが、

3日経ち、現在完成まで早くも残り20%くらいかと思います。

というのも、実は昨年5月8日以降、ずっと作曲とレコーディングを行っていて

溜まった膨大な音源を「整理する」だけだったのです。

でも、レコーディングした音源が、莫大な量あったため

どんな風に進むか、皆目見当がつかない状態だったのですが、

思いの外すんなりと次のアルバムのトーンが現れてくれて

曲のセレクトが終わり、後は8th MAY(酒本信太)がミキシングとマスタリングをするのに

横に張り付いて、じっと聞く、という作業が始まります。

ここからは、PCを前にじっと集中する時間が重なるので

あまり根を詰めないようにしながら進めたいと思います。

私は、次のアルバムへ向けてこの数日、気持ちをまとめているあいだに

またいろいろなことを発見し、体験し、学びました。

IRIS SUNの音源は全てワンストロークスケッチ、一筆書きで作っています。

ピアノと歌を集中して一気に「だす」という、言葉で表現するのが難しいのですが、

ともかく、そういった手法で制作しています。

だいたい一度、集中すると45分から1時半くらい、信太と一緒に

ピアノとマイクに向かい、一気に編み上げます。

先日リリースしたEP “OI”に収録した5曲は私にとって、

名前がつけられる、曲としてはっきりしたものがほとんどでした。

いままでずっと、その周りを羊水のように包み込んでくれていた音や声は

記憶にも残らず、置き去りにしていました。

その部分も含めて、これまでレコーディングしたものを聞き返したときに

私はその羊水の部分の響きの静謐さや、神聖さに打たれました。

ピアノと声がひとつに溶け合い、雨や鳥の声も溶け合い

歌った記憶が一切ないフレーズが

山のように録音されていました。

次のアルバムには、この、赤ちゃんを包み込む羊水のような

あたたかな水を、作品集としようと決めました。

いままで作ったどのアルバムよりも、ささやかなものになるような気がします。

そして、いま私がもっとも聴きたい音楽になるような気がします。

3月頃にはお届けできるかな、と思います。

春にこの音源をリリースできることがとてもうれしいです。

また、近況をご報告いたしますね。

Mai Shinta
本日より、レコーディング開始!

去年からnoteのマガジンをこつこつ書いています。今日は酒本信太の登場シーンをUpdateしました🌸

note 「詩が書けましたから」

私はいま2階の書斎でこれを書いていますが、1階のスタジオからはいまも信太のピアノと歌声が響いています。彼は生まれながらの音楽家だなと、每日思います。

2月にはいったので、私達は8th MAYとIRIS SUNの次の作品のレコーディングに取り掛かります。今月の挑戦は、「レコーディングで深く潜りながらも、発信すること」です!

この2年、レコーディングがはじまると、シャットダウン。なにもできなくなってしまっていたので、そのあたりを今年は進化させてゆきたいと思っています。今月もどうぞよろしくおねがいいたします🌸

IRIS SUN/向田麻衣のマガジン 「I'm singing!」
https://note.mu/maimukaida/m/m85e63a3533b8

Mai Shinta
百合の花、一輪

2018年5月8日のこと。

その日は、一日なにごともなく、家で過ごしていたと思う。

夕方に近くのスーパーに夕飯の買い物にでかけて

食材の他に、大ぶりの百合の花を1本求めた。

その百合はとても大きな花をひとつと、蕾を4つつけていて、

花は私の顔よりも大きいくらいで、近づくと食べられてしまいそうだった。

買い物の最中だっただろうか、

私は信太に「今日、ちょっとやってみてもいい」ときいた。

「ピアノを弾いてもらってもいい?」と。

帰宅して、食材を冷蔵庫にいれて、百合を大きめの花瓶に活けた。

青い光が部屋の中に満ちている中で、信太がピアノを弾きはじめる。

私は集中してピアノの音に耳を傾けた。

うっすらと目をひらくと

私の顔の高さに活けた百合がこちらを見ている。

目を閉じて、ピアノの音に体を預ける。

ピアノの横に立ち、ゆらゆらと体をゆらしていると

突然、強烈な百合の香りの中に入った。

そして目の前に見知らぬ景色が広がっていることに気がついた。

青と白の黒の氷の世界だった。

凍りついた世界に、海とも湖ともわからぬ大きな水たまりが見えた。

私はその水たまりの上を猛スピードで飛んでいた。

どこまでも百合の香りがついてくる。

私は安心していた。

家族や、兄弟の顔が浮かんだ。

私は見えている景色に声を、言葉を当てていった。

どんどん景色が変わってゆく。

私は猛スピードでその氷の世界を飛び回り

氷の大地に着地した。

その時、右手には、百合の花が一本、握られていた。

そこで世界が閉じた。


ゆっくりと目をあけると、目の前でピアノを弾いていた信太はこちらをみている。

その目を見て、私は、「なにかがやってきて、去っていった」と感じる。

私の顔は濡れていた。涙が流れていたようだった。


最初の日はこんなかんじ。

私はこの日、歌を作ることを本当の意味で始めたと思う。

私はこの日、どこまでも、「ある」ということを知った。

尽きぬ「なにか」を体、体も通り越して、魂と呼ばれるところで体験したのだと思う。

Mai Shinta